アルコール配合とノンアルコールの化粧水…何が違うの?
2019/11/21
化粧水には、アルコール配合のものと、ノンアルコールのものがあります。
いったい何が違うのでしょうか?
この記事では、アルコールの化粧水における役割、メリット、デメリット、そしてノンアルコール化粧水のメリット、デメリットなどをまとめてご紹介していきます。
化粧水選びの際に、アルコールの有り無しでどちらを選ぼうかなと迷ったときの選び方も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
アルコールの化粧水における役割
ノンアルコールの化粧水が多く出始めたのは比較的最近で、かつて化粧水と言えばアルコールが配合されているのが当たり前でした。
一口にアルコールと言ってもたくさんの種類がありますが、化粧水でアルコールと言えば、ほとんどの場合「エチルアルコール」という成分を指しています。
成分表示では「エタノール」と表示されます。
「化粧水でアルコールと言われているもの=エチルアルコール=エタノール」ということですね。
成分表示の中には、「フェノキシエタノール」「ステアリルアルコール」など他にも「アルコール」や「エタノール」とついた名前がありますが、これらは性質上アルコールとして扱われておらず、エタノールとは別物です。
化粧水におけるアルコールフリーは、ほとんどの場合はエタノールフリーと同じ意味で使われているようです。
エタノールの働き・効果とは?
エタノールと言えば、思い浮かぶのが消毒液です。
化粧水に配合されるエタノールも成分としては同じものですが、もちろん濃度がまったく違うので、消毒液のように強烈なわけではありません。
お肌への安全に配慮されたマイルドなものが配合されています。
その主な働きはこちら。
- 商品の衛生を保つ
- 水に溶けにくい成分をなじませる
- サッパリとした使用感を与える
- お肌を引き締める(収れん作用)
- 皮脂を抑える
- 油分や汚れを拭き取る(拭き取り化粧水)
商品の衛生を保つ
消毒液に用いられていることからもわかるように、エタノールには殺菌作用があります。化粧水に配合した場合も、雑菌の繁殖を防ぎ商品の衛生を保つ働きをしてくれます。
水に溶けにくい成分をなじませる
化粧水は水分が多くの割合を占めていますが、その他の化粧品原料の中には水に溶けにくい成分があります。
その場合、エタノールを使うと上手く溶け、化粧水全体のなじみを良くすることができます。溶解剤という役割です。
サッパリとした使用感を与える
注射の前などにエタノールで肌をふきますが、スーッとした感覚がありますよね。
化粧水に配合されるエタノールも、その清涼な感じを化粧水に加え、べたつかずサッパリとした使用感に導くことができます。
お肌を引き締める(収れん作用)
エタノールには、お肌のタンパク質を一時的に変性させ、皮膚の温度を下げてキュッと引き締める効果があります。
ゆるみがちな夏のお肌や毛穴を引き締めるための収れん化粧水には、エタノールの収れん作用が主に活用されています。
皮脂を抑える
エタノールの収れん効果の一部として、一時的に毛穴を縮めて皮脂を出づらくする作用があります。
そのため、脂性肌用の化粧水や皮脂の多い男性用化粧水、ニキビ化粧水には、エタノールがよく活用されています。
油分や汚れを拭き取る
エタノールは油汚れを浮かせる働きがあるので、お肌に残った汚れや皮脂を拭き取る拭き取り化粧水にも多用されます。
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アルコール配合化粧水のメリット・デメリット
化粧水においては幅広い役割を持つアルコール(エタノール)ですが、メリットがあればデメリットもあります。
それぞれを見てみましょう。
メリット
- 化粧水の品質を安定させやすい
- サッパリとした清涼な使い心地になる
- お肌の引き締め効果がある
- 拭き取り作用に優れている
デメリット
- アルコールに敏感な人は合わない場合がある
- お肌を乾燥しやすくする
- 引き締め効果が強いとお肌の負担になることがある
- 拭き取り力が強い分刺激になりやすい
エタノールの主成分であるアルコールには、体質上敏感に反応するタイプの人がいます。
注射前にも「アルコールでかぶれたりしませんか?」と聞かれますが、人によっては赤みやかゆみなどのかぶれ症状がおこることがあります。
飲む方のお酒に弱い強いとは別物で、酒豪でも顔はアルコールでかぶれるという人もいますし、反対にお酒は一滴も飲めないけど消毒液とかは平気という人もいるので、あくまでお肌につけたときに赤くなったりかゆくなったりするかどうかという話です。
アルコールに敏感なお肌の人の場合は、化粧水レベルの薄さでもつけるとヒリヒリして感じ、赤みやかゆみの原因となることがあります。
また、サッパリとした清涼な使用感はエタノールの魅力で、夏場や皮脂が多めの人には人気があります。
けれどその反面、皮脂や水分の蒸発を促進し、お肌を乾燥しやすくする性質を持っています。
収れん作用も、お肌のタンパク質を一時的に変性させて引き締める働きなので、働きが強かったり多用したりするとお肌の負担となることがあります。
汚れを浮かす拭き取りも同様に、その働きに優れている分だけ、皮脂を取り過ぎてしまって刺激になりやすい一面があります。
ノンアルコール化粧水のメリット・デメリット
ノンアルコール化粧水は、アルコールに反応しやすい体質の人のために作られたものです。それ以外にも、お肌が敏感な人、乾燥しやすい人などにも向いています。
具体的なメリット・デメリットを見てみましょう。
メリット
- アルコールに弱い肌質の人が安心して使える
- 敏感肌の人にとっては刺激を減らせる
- 乾燥肌の人に使いやすい
デメリット
- 商品の使用感や配合原料に限界がある
ノンアルコール化粧水は、アルコールに反応しやすい人にとっては安心して使用できる強い味方です。
最近は種類も豊富なので、色々なバリエーションから選べるようになってきたのが嬉しいところです。
また、少しでも刺激を避けたい敏感肌や乾燥肌、肌荒れの人にとっても、アルコールは刺激になりやすい一面があるので、お肌の負担を減らしたいときにはアルコールフリーの化粧水は便利です。
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ただ、アルコール(エタノール)は、商品の安定・使用感の調整・溶解剤としての働きなどに関しては優れているため、アルコールフリーにするとそこに限界が生まれやすくなります。
他のものを使って調整機能の代用はできるので、アルコールフリーのものが使用感に劣るというわけではありません。
ですが、清涼感やサッパリ感を求めたい人にとっては不満に感じるかもしれません。
アルコール配合の化粧水とノンアルコールの化粧水、どっちを選ぶ?
アルコールに敏感な肌質の人は、アルコールフリーの化粧水がおすすめです。
それ以外の敏感肌や乾燥肌の人に関しては、そればかりにこだわる必要は無く、お肌の感覚や他の成分などとの兼ね合いで選んだ方がいいかもしれません。
アルコール(エタノール)の配合量は、商品によって大きく異なります。
敏感肌や乾燥肌の人には、エタノール配合量の多いサッパリ系や収れん系の化粧水はおすすめできませんが、商品の品質向上のために少量配合されている程度なら、お肌への影響はあまり無いと言われています。
優れた保湿力を持った敏感肌・乾燥肌用化粧水にも、アルコールフリーでない商品はたくさんあります。
「できるだけ少なくはしてあるけどゼロではない」という化粧水も多いので、完全アルコールフリーにこだわるとかえって化粧水の選択の幅が狭まってしまいます。
アルコール(エタノール)は、配合量が多いとお肌の負担や刺激になりやすいですが、適量なら問題はないとされています。
アルコールに敏感な肌質の人を除いては、「アルコールフリー」という部分にだけこだわらず、配合量や他の成分、使用感などを合わせて選んでみましょう。